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歌劇「天空の町」を観てきました。 [愛媛]

一昨日、参宮橋の国立オリンピック記念青少年総合センターでの東京公演を観てきました。

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舞台は僕の故郷の新居浜です。
新居浜の一般市民も出演しており、僕の小学校時代の友達の奥さんもその一人として出演していました。
会場内に入るとステージ横にはオーケストラが控えていて、さらに和楽器の箏、篠笛、三味線とパーカッションも加わって重厚です。

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物語の主題はとても深くて考えさせられるものでした。

主人公の伊庭貞剛は別子銅山の二代目支配人だった人です。
彼は別子銅山による煙害と、採掘によって木や森が失われた山に心を痛め、製錬所を四阪島に移し、また山林復興のため植林に着手しました。
このときの伊庭貞剛がなければ、今日の新居浜の美しい山並みはなかったでしょう。

当時、山の木を燃料として使用すると安価なエネルギーとして会社の利益になったそうです。
でもこれを「天地の道理に反する」、「青々とした旧の姿にして大自然にかえさなければいけない」と
する伊庭は「日本のために必要ならば、住友をつぶしても良い」と劇中でも何度か云います。
明治の日本の経営者には、先見性と徳がありました。

振り返って、今の福島の原発事故はまさしくこの時代の別子銅山と同じ状況です。
でも、現在の日本の政治家や経営者達は誰一人として、自国のことや自然のこと、これからの子供達のことやその先の子孫のことなどを考える人がいません。
効率だけを唱える経済専門家と歩調を合わせて、自分達の利益のことばかりです。
今の日本の指導者にこそ伊庭貞剛のような人が必要なのではないでしょうか。

さて、僕は歌劇初体験でした。
想像以上に長かったので途中で集中力が途絶えることがありましたが、プロと一般市民の混合でこれだけの公演が出来たことに感動しました。(もちろん話の主題にも)
新居浜はもともと合唱が盛んな土地柄だったためか、フィナーレに近づくにつれて合唱による盛り上げが素晴らしいと思いました。

僕は今年に入って、その新居浜に5回程帰っています。
写真は4月と今月のものからです。

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青々とした山が、下って来た川面に映っています。


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僕が子供の頃にはよくあった農家とあぜ道。
近所を歩いてみるとそんな姿もほとんど無くなっていました。


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夜の8時近くなのにまだ明るくて空が青い。


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コメント 4

himanaoyaji

日本の政治家、 目先の利益(損得勘定)しかみてませんよ (>_<)
by himanaoyaji (2012-07-16 07:24) 

robotic-person

「地球によって、そして多くの人々によって生かされている」と考えて行動する人が増えていくことを願わずにいられません。
by robotic-person (2012-07-16 08:28) 

taka-ono

himanaoyajiさん
政治家の皆が皆までとは云いませんが、権力を握った途端に言うことが変わる人は絶対に許せません。
状況判断が出来て将来を見据えた理念とポリシーを持った人が指導者にならなければ、結局は官僚政治に戻るだけと云うのが現状ですね。

by taka-ono (2012-07-17 05:27) 

taka-ono

robotic-personさん
そうですね。
どんな立場に居ても、状況であっても、謙虚さを忘れてはならないと思います。
by taka-ono (2012-07-17 05:29) 

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