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Enigma [JAZZ]

Enigma ってなんだろうと思って検索してみると、ナチスが使った暗号機のことなのだそうです。

でも今日のお話は、J.J. Johnson が書いた美しいバラードのことです。
残念ながら、僕のコレクションの中には彼自身の演奏のものが無い。
1953年にMiles Davis がブルーノートに録音した黄金の1500番台のスタートとなったレコードで演奏されているが、このレコードは他の全ての曲も素晴らしい。
「Enigma」はほとんどマイルスのソロで、僅かに8小節だけピアノのGil Coggins のソロがある。
J.J はバックのアンサンブルで吹いているだけだ。

マイルスの自叙伝によると、この前年の52年はヘロイン中毒から脱しきれず、ブルーノートに1枚録音しただけで最悪の年だったようだ。
53年は少し明るさが見えて来たようだが、それでもそんないい状態ではなかった。
でも、演奏を聞くとそんなひどい状態だったようには聞こえない。
むしろ世間では、このブルーノートの「Miles Davis Vol.1& 2」を好んでいる人は多いと思う。

Al Haig は74年の「Invitation」と77年の「Enigma」の2枚に録音がある。
「Invitation」のジャケットは、http://takashiono.blog.so-net.ne.jp/2012-01-16 に載せたことがありますが、「Enigma」はこれです。

P1020792.jpg

僕的には、nice! なんですが。[グッド(上向き矢印)][わーい(嬉しい顔)]

74年の方は、マイルスのアレンジを少し踏襲していてソロの中身に J.J がバックグラウンドで吹いていたフレーズの断片が聞こえたりする。
おそらくマイルスの録音を聞いたのだろう。
77年の方は、もう少し自分のスタイルに熟れていてアレンジもバンプの部分が2小節少ない。

コード進行は、マイルスとアルとは少し違っていて、ホーン奏者のマイルスの方がスマートに処理していると思うが、ただ聞いているだけではその差は判らないくらいだ。
どんな曲でもマイルスのコード進行は合理的で割り切れる感じがして、それがクールな印象をあたえるのかもしれません。

逆にアル・ヘイグの演奏は特有の濃密さがあって、これが嫌いな人は彼を聞かないだろうと思う。
でも「Enigma」の様な曲ではそれがすごく生きてくると思うのだ。

それにしても、この曲は変わった構成と頻繁な転調とちょっとやり慣れないⅡ-Ⅴ がたくさん出て来て、でもとても美しい曲です。


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