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Barry Harris LIVE盤 [JAZZ]

毎月1回、新宿歌舞伎町で深夜にライブをやっている。
金曜の25時(明けて土曜の1時)からスタートするようなワクワクするスペースだ。
いつの金曜になるかはその月によってまちまちだが、僕の出演日をHPのスケジュールで確認して是非一度来て欲しいと思う。

その店に毎週現われてご機嫌な歌を聞かせてくれるNICHIMOさんが、Barryさんの「COMPLETE LIVE IN TOKYO 1976」を聞いて感想をメールでくれたことから、大袈裟だけど僕のBop観のようなものを返信してしまった。
ちょっと時間をかけて書いたので、要所要所をここにも書き留めておきたいと思った。

NICHIMOさんがバリーさんの演奏を華麗かつ繊細だというのに対して

「センシブルな華麗さはバリーさん自身の気質から来てる気がしますが、パウエルやモンクと違うのは世代的にひとつ後になる分、フレーズが込み入ってきています。
パウエルの時代はその前のスイング時代の影響も残っていて、以外にコードをそのまま分解したようなパッセージも見受けられます。
ところが、バリーさんをはじめとするハードバップ世代はパウエルの影響を直接受けながら独自の色合いを出してきているのでピアニストによって語り口も様々になってきました。」

さらに勢い込んで独自性の強い持論を展開しています。

「公民権運動が盛り上がる前のBe-Bop時代のミュージシャンは荒々しさ(社会に対する怒りを表現している)を持っていました。
黒人JAZZの魅力の源泉かも知れません。
日本人がJAZZを演奏する時に黒人の演奏に近づきたいと思ってもこの部分は絶対無理だと思います。
でもJAZZを本当に聞込んでくると誰もが不思議と黒人ミュージシャンの表現力の方に魅力を感じるようになるんですね。

今の日本では白人系の音や環境音楽のようなヨーロッパジャズに人気がありますが、本当にJAZZを追求するミュージシャンの多くは伝統的なBOPを重要だと思っているはずです。
バリーさんが多くのミュージシャンに支持されるのも当然ですよね。
そういえば、一昨年のオクリーズでのバリーさんトリオライブのお客のほとんどが真摯なJAZZ PIANISTでした。
勉強会って雰囲気でしたよ。

おっしゃるようにバリーさんの演奏が綺麗過ぎるというのは、あのBlue Noteレーベルの創設者のアルフレッド・ライオンも言っています。
バリーさんがライオンに「どうして僕のアルバムを創ってくれないの?」と聞いたらライオンが「君の演奏は綺麗過ぎる」と言ったそうです。
この話は「Hard Bop」という翻訳本のなかで「デトロイトミュージシャン」という項目に書かれていたと記憶しています。
実際に同じデトロイト出身のハンク・ジョーンズやトミー・フラナガンにもBlue Noteでのリーダーアルバムは無かったはずです。
もちろん上記3人はサイドメンでは無数に録音が残っているはずですが・・・。」

今回、自分のライブラリーから時間をさいて調べたのが次のライブ盤についてです。

「At The Jazz Workshop」(1960/ May. 15 and16)←バリーの代表作
「Tokyo 1976」(1976/ Apr. 1,12 and14)←ここから「COMPLETE LIVE IN TOKYO 1976」に
「For The Moment」(1984/ Mar. 2)←バリーが主催していたJazz Cultural Theatre にて
「Live At Maybeck Recital Hall」(1990/ Mar. 12)←Solo
「Post Master Class Concert」(1991/ Mar. 7)←Holland Hugue
「Live at DUG」(1995/ May. 29)←新宿DUG
「Hod Meets Barry」(1995)←Hod O'Breien というピアニストとDuo
「Live In New York」(2002/ Aug. 17)←Birdlandで、僕の知合いのPaulさんがベースを弾いている。
「Live From New York」(2004/ May. 16)←Fat Catで

80年代までの上3点までは速いテンポも凄いです。
90年代からは徐々に耽美的な傾向が強まってきて、2000年以降はテンポの乱れや遅れがあります。
でもそれを上回る表現力が重みを感じさせるので作品として聞き応えがあります。」

もう少しあるんですが、独自性が強過ぎるので残りはまたの機会にします。








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NICHIMO&SACHIMO

ブログ開設、おめでとうございます。

拙へのメールの引用で、ブログ初日を飾られたのを読み、改めて小野さんのジャズに対する想いを、強く感じました。

mixiとは一味違う、小野さんの徒然、これから楽しみです。
by NICHIMO&SACHIMO (2009-06-20 12:27) 

taka-ono

NICHIMO&SACHIMOさん、お店がオープンする時に送られる花のようなコメントを有難うございます。

mixiとは違う切り口もあれば同じものが載ることもあるかもしれませんが、お付合いをよろしくお願いいたします。


by taka-ono (2009-06-20 16:01) 

ともみ

先日はお疲れ様でした。

アーリーバードでの演奏の様子を
下手くそな文ですがアップしております。

写真も、適当に載せてしまいました。
これはちょっと!!!と思われたら
メールください。

http://air.ap.teacup.com/kojimatomomi/


とってもステキでした★
by ともみ (2009-06-26 07:12) 

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